「英語の長文問題が苦手」
「何度読んでも分からない」
と悩んでいる生徒もいるのではないだろうか。
大学の英語試験では長文読解の配点が高いため、苦手だからといって放置したままだと、MARCHや関関同立といった難関大学に合格するのは難しいかもしれないぞ。
直接合否に繋がる部分だから、受験まで1年もの時間が残されている高2のうちに、参考書を使って苦手意識をなくすことが必要なんだ。
長文読解を攻略できれば、限られた時間でも焦ることなく読み解きできるようになるから、高得点が狙えるほか、凡ミスや見逃しでの減点も減らせるんだ。
そこで今回は、高2にオススメの長文読解参考書を4冊紹介する。MARCHや関関同立レベルの偏差値55~65に到達できる参考書のうち、特徴の違うものをいくつか集めているから、自分にピッタリなものを見つけよう!
参考書は1冊でOK!自分にピッタリなものを読み込もう
長文読解の苦手をなくそうと、手当たり次第に参考書を買い込んでいる生徒もいるんじゃないか?実は、その方法はあまりオススメできない。
長文読解は文法や単語、速読力、背景知識など多くの要素を必要とするからこそ、人によって苦手とする部分が異なる。全員が同じ勉強法で攻略できる科目ではないため、参考書1冊1冊のテーマや解説の仕方も大きく変わってくるんだ。
だから手当たり次第に購入したところで自分の弱点をカバーできる参考書でなければ、「いつまでたっても苦手を解決できない」「お金を支払ったのに全く参考にならない…」ということが起こってしまう。
確実に長文読解の苦手をなくすためには、まず「問題を解くときに、どこで手が止まってしまうのか」「どの部分で間違えることが多いのか」を徹底的にチェックしてほしい。自分の弱点を知り、それに合った参考書を使用することで効率的に苦手を克服できるぞ!
例えば、文構造を理解していない生徒は1文1文にSVOCなどの解説が付いているもの、知らない単語が多くて内容を理解できないという生徒は、和訳付きの一覧表や単語の復習ミニテストが載っているもの、長文を読むのが遅いという生徒は速読力を養える参考書がオススメだ。
「自分の弱点を解決できるかどうか」という点に加えて、参考書を選ぶときは以下のポイントも意識してみよう。
長文読解の参考書を選ぶポイント!
・志望校のレベルに合った参考書であるか(私大・国公立大学・最難関レベルなど)
・音声CDやデータが付属しているか ・解説部分にボリュームがあって、1つ1つが詳細に書かれているか ・掲載されている英文の質が高いか(入試に頻出している英文や実際の過去問など) ・英語自体が苦手な場合は、自分が解けるレベルの参考書であるか |
「音声CDやデータが付属しているか」だが、長文問題に音声は必要ないと思っている生徒も多いかもしれないな。しかし、音声を聞きながら音読することで、単語の発音や意味などの情報を自動で処理できるようになるんだ。
ようは、ネイティブスピーカーと同じ思考回路を作れるようになり、約2200語もの単語が登場するMARCH・関関同立レベルの長文問題でもスラスラ解けるんだ。だから、長文読解の参考書を選ぶときは、音声CDやデータが付いているかを重要視してほしい。
また、英語自体が苦手な生徒はいきなり志望校レベルにチャレンジするのではなく、自分が解ける参考書を選ぼう。
基礎や入門編など、確実に解答できるレベルで勉強を進めた方が苦手を克服しやすいうえに、「長文問題に正解した」という実績を積み重ねることで自信に繋がる。そのため、高2のうちは自分のレベルに合わせた参考書を選び、高3の夏頃から志望校レベルに切り替えるのがオススメだ。
各参考書の大学レベル一覧表
今回は、MARCHや関関同立レベルに合わせて4つの参考書をピックアップしている。ただ、参考書によっては偏差値50~55前後の日東駒専レベルや、偏差値65以上の早慶上智・国公立をカバーしているものもあるんだ。自分が最終的に到達したいレベルに合わせて、選ぶのと良いだろう。
入門英語長文問題精講 | キムタツ式長文速読特訓ゼミ | 難関大英語長文講義の実況中継 | 全レベル問題集 英語長文 | |
関関同立 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
MARCH | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
日東駒専 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
早慶上智 | △ | △ | ◎ | ◎ |
国公立 | △ | △ | 〇 | ◎ |
①入門英語長文問題精講
「入門英語長文問題精講」は、共通テストを含め大学受験に挑む人へ向けて作られた参考書。
マスター後は、偏差値50台後半の中堅大や関関同立、MARCHレベルに到達できるぞ!
長文読解の参考書は1題1題の内容がボリューミーであるため、長文の収録数が20に満たないことも多い。しかし、入門英語長文問題精講は収録数が24題と豊富なうえに、「内容理解問題」や「要約分問題」など入試に頻出する様々な形式を用意しているところが大きな特徴だ。
また、全文にSVOCが振ってあるほか、文法や英文解釈に関する解説がついているのも嬉しいポイント。
入門編と謳ってるだけあって基礎的な部分から解説してくれるため、「文構造がイマイチ理解できていない…」という生徒でも無理なく学習を進められるぞ!
本書を使いこなすには中学生~高1レベルの単語や文法を覚えておかなければいけないが、「初めて長文問題に挑戦する」「長文読解の苦手を克服すると同時に、単語や文法の基礎も固めておきたい」という生徒にはピッタリな参考書といえる。
本書の仕様とレベル
対象者 | 入試に備えて基礎を固めたい生徒、大学入学共通テスト・MARCH・関関同立レベルを目指している生徒 |
仕様 | ・全368ページ(本冊264ページ+別冊104ページ)
・設問 24個 ・SVOC、日本語訳、重要語句、読解ポイントの解説 |
前提となるレベル | ・単語、文法、英文解釈をある程度理解している(中学生~高1レベル)
・英語の偏差値が50以上 |
マスター後の到達レベル | ・日東駒専、MARCH、関関同立レベル(偏差値50代後半)
・センター過去問、大学入学共通テストで7~8割以上を安定して取れる |
1周を終えるまでにかかる時間 | 約1~2ヶ月 |
付録・サポート | ・演習問題、Let’s Try Listening(ディクテーション)付の別冊
・三浦淳一氏の映像授業付 ・英文の音声データが聞ける旺文社リスニングアプリ「英語の友」によるサポート |
出版情報 | 三浦 淳一:1,320円(税込) |
メリット・デメリット
「入門英語長文問題精講」のメリット
・センター試験や大学入学共通テストレベルの難易度に設定されているため、長文問題が苦手な生徒でも無理なく勉強ができる
・基礎固めに重きを置いているため、解説ページが詳細かつ丁寧 ・文法に関する知識も習得できる ・内容理解問題や要約文問題など、入試で頻出する様々な設問形式にトライできる ・類書のなかでも長文の収録数が多く、評論や小説など豊富なジャンルに触れられる ・全文訳や語句などが記載されており、本書1冊で学習が進められる |
「入門英語長文問題精講」のデリット
・中学レベルの英語、基礎的な文法用語を覚えておく必要がある
・英語長文問題精講シリーズのなかで一番下のレベルであるため、本書だけで早慶上智や国公立を目指すのは難しい |
入門英語長文問題精講の勉強法
※本書は、本冊と別冊の2つに分かれており、それぞれ内容が異なる。
本冊:設問①~㉔の解答・解説、英文の構造や訳、語句、英文読解のポイント これを踏まえて、勉強をするときは以下の手順で進めよう。 ①別冊の問題を2回解く 長文読解が苦手なキミは1日1つを目標に、じっくりと問題を解いてみよう。「苦手なのに、いきなり問題を解くの?」と思うかもしれないが、まずは自力で問題を解く練習をしてほしい。その後に英和辞典などを使って意味や文法を調べながら、もう一度問題を解いてみよう。2段階に分けて解くことにより、現時点でどこまで自分ができるのかを確認できるんだ。 問題には目安の解答時間が決められているが、高2の段階ではそれほど気にしなくて良い。時間を気にして急ぐよりも、自分が納得いくまで問題と向き合うことが大切だぞ。とはいえ、1時間以上解きにかけるのは時間の無駄になるため、次の②ステップを飛ばして解説を見るのがオススメだ。 ②本冊と照らし合わせながら答え合わせをする ③本冊の解説を1つ1つじっくり読み込む 正解・不正解関係なく、解いた問題の解説を熟読しよう。「どうしてこの解答になったのか」が理解できるまで読み込むことによって、設問に対する正しい考え方やアプローチの仕方を自然に身に着けることができるぞ。 ④問題を解いていて分からなかった文構造・語句・和訳を本冊で確認する 解説を読み込んだ後は、文構造・語句・和訳といった細かな部分を確認していこう。すべてを読み込む必要はなく、問題を解いているときに分からなかった部分や引っかかった部分を重点的にチェックしてほしい。精読することはもちろん、コピーした問題用紙に赤ペンで文構造・語句・和訳を書き込み、赤シートを使いながら覚えていくのがオススメだ。 ⑤翌日に同じ問題を解いて復習する 間違えた問題は、翌日新しい章へ入る前にもう一度解いてみてほしい。ただ単に解答を導き出すのではなく、本冊で確認した解説や文構造、語句、和訳を意識しながら復習しよう。 |
こんな人におすすめ
・初めて長文問題にチャレンジする人
・長文読解だけでなく、文法にも苦手意識がある人
・英語の偏差値を50から、55~59にまで底上げしたい人
・文構造だけでなく、語句や和訳も同時に確認をしたい人
Answerzの評価
「入門英語長文問題精講」は単語・文法・読解、すべてをバランスよく学ぶことができる良書。中学英語以上の文法や単語などがきちんと理解できていないために、長文読解が苦手になっている生徒にオススメだ。
また、「比較的易しいレベルに設定されている」「長文読解における基礎内容が簡潔にまとめられている」など、英語自体が苦手な生徒でも使いやすい仕様が盛り込まれている。
②キムタツ式長文速読特訓ゼミ
出典:amazon.co.jp
「キムタツ式長文速読特訓ゼミ」は、長文を読むのが遅い、文構造を分析しながらでないと読めないという人に向けて作られた参考書。現在4つのシリーズが展開されており、それぞれ到達できるレベルが異なる。
最も易しい「入門」は難関高校入試レベル、「基礎」と「センター」はセンター試験で6~8割程度のレベル、「難関」はMARCHや関関同立を目指せるレベルにまで到達する。入門は高1を対象としているため、高2のキミたちは基礎レベルからスタートするのがオススメだ。
本書最大の特徴は、速読力や速解力の強化を目的としていること。設問を素早く読み、正確な解答を導き出すための実践的なスキルを養うことができるんだ。本書内には「スキミング」や「スキャニング」といった速読のノウハウを身に着けるための指示が記載されており、文章全体を掴む力、段落ごとの要点を捉えながら文章を読む力を伸ばすことができる。
また、キムタツ式長文速読特訓ゼミは全シリーズを通して、英文が面白いと評判だ。入試問題のような堅苦しい文章ではなく、“読み物”として書かれているから興味を持って楽しみながら勉強ができるぞ!それに、アメリカ人の先生が書いている文章だからこそ、英語特有の流れるような発音やリズムを感じられる。
速読力や速解力に焦点を当てている参考書であるため、構文解説がやや物足りず、高校受験レベルの英単語や文法を理解していない人には難しいかもしれない。しかし、「長文を読むのに慣れたい」「設問を読むのに時間がかかりすぎるため、スピードをアップさせたい」という生徒には最適だ。
本書の仕様とレベル
対象者 | 英語長文の読書スピードを向上させたい生徒 |
仕様 | ■入門レベル:全144ページ、問題数 9題
■基礎レベル:全159ページ、問題数 15題 ■センターレベル:全192ページ、問題数 18題 ■難関レベル:全160ページ、問題数 18題 |
前提となるレベル | ■入門レベル:中学英語を理解している
■基礎レベル:高校受験レベルの単熟語や英文解釈を理解している ■センターレベル:4000語の単熟語や「入門英文解釈の技術70」レベルの内容を理解している ■難関レベル:6000語レベルの単熟語や「基礎英文解釈の技術100」レベルの内容を理解している |
マスター後の到達レベル | ■入門レベル:難関高校入試レベル
■基礎レベル:センター6~7割程度 ■センターレベル:センター6割~8割程度 ■難関レベル:MARCHや関関同立レベル |
1周を終えるまでにかかる時間 | 約1ヶ月 |
付録・サポート | 英文音声収録CD |
出版情報 | 木村達哉、マーク・ピーターセン:945~1,155円(税込)
※価格は販売元によって異なる |
メリット・デメリット
「キムタツ式長文速読特訓ゼミ」のメリット
・長文問題は比較的易しめに設定されており、長文読解が苦手な生徒でも無理なく取り組める
・入門から難関までレベルの幅が広く、自分に合ったものを選びやすい ・英文が興味深い内容になっており、楽しみながら学習できる ・問題数が1冊につき15前後と手が付けやすい ・速読と速解だけをピンポイントに強化できる ・問題に登場する単語が一覧表としてまとめられているため、語彙力向上にも繋がる ・音声CDが付いていて1000円前後とリーズナブル |
「キムタツ式長文速読特訓ゼミ」のデリット
・CDの再生スピードが速くて最初は聞き取りが難しいため、スマホアプリなどによる調節が必要
・本書1冊で偏差値65以上(早慶上智や国公立)を目指すのは難しい ・文構造などについて深く掘り下げていないため、英文解釈を理解していない生徒、長文読解に関する詳細な解説を求めている生徒には不向き ・本書に書かれた細かな指示に従って学習を行う必要があるため、「マイペースに進めたい」「自己流の勉強法がある」という生徒はやりづらさを感じるかもしれない |
キムタツ式長文速読特訓ゼミの勉強法
※本書は以下5つのステップで構成されている。
1.ワード・チェック(問題文に登場する単語と和訳) 本書に取り掛かるときは、1のステップから順に取り組んでいこう。 ①単語を覚える まずは問題文に出てくる単語を覚えよう。単語の意味が分からず1つ1つに引っかかっていては、文章を素早く読むことはできない。暗記するときは、ノートに書いたり目で読んだりするだけでなく、声に出して繰り返し発音をしよう。体の一部を動かすことで脳が活性化され、記憶力がアップするんだ。 ②スキミング 赤字で書かれた各段落の最初と最後の文章だけに目を通し、「何について書かれているか」を読み取ろう。このステップは文章の一部から全体内容を把握する練習であるため、赤字以外の箇所を見ないよう意識してほしい。 ③スキャニング まずは用意された設問と選択肢を読み込み、「何を問われているのか」を理解しよう。その後、スキミングで読み取った内容から解答に繋がるキーワードを探し出して、適切な解答を選択する。解答するのに時間がかかるようなら、②のステップで赤字になっていた部分をもう一度読み直してみよう。 ④解答・解説を精読する ③のステップで解答した設問の答えや文の構造、要点などの解説を精読しよう。疑問に思ったこと、引っかかったことがあれば、自分が理解できるまで繰り返し読み込んでほしい。また、仮に設問が正解だったとしても必ず解説に目を通し、「なぜこの設問がこの解答になったのか」という理解を深めることが大切だ。 ⑤付属CDを使って音読する 付属CDの音声を聞きながら問題文を声に出して発音し、アウトプットしていこう。問題文を見ずとも暗唱できるレベルに到達することが理想であるため、最低でも20回は繰り返し音読をしてほしい。ちなみに、入門レベルと基礎レベルは、1分間に140ワードの「ナチュラルスピード」と1分間に180ワード以上の「ハイスピード」が収録されているから、自分のレベルに合わせて速度を調節できるぞ! ④翌日に問題を解きなおす 1日1題を目標に学習を進めていくのだが、新しい問題文へ取り組む前に前日の設問をもう一度解きなおして復習しよう。このとき、「問題文を読むスピード」や「文章の要点がどこにあるのか」をしっかり意識しながら解答を導き出すことが大切だ。 |
こんな人におすすめ
・文構造を1つ1つ分析しながらでないと長文を読めない人
・文構造や単語をある程度覚えているが、長文を読むのがとにかく遅い人
・ネイティブのナチュラルな英語や表現に慣れたい人
・MARCHや関関同立レベルを目指しており、なおかつ速読力を身に着けたい人
・長文に対する効率の良いアプローチ方法を学び、本番で最大限の力を発揮したい人
Answerzの評価
キムタツ式長文速読特訓ゼミは、速読や速解力の習得・強化にフォーカスしている参考書であるため、文構造などの解説には物足りなさを感じる。対象となる生徒が「長文読解の基礎が出来ている人」に限られるものの、現在の大学入試に必要不可欠な「正確に素早く読む」というスキルを鍛えるには最適な参考書だ。
③難関大英語長文講義の実況中継
「難関大英語長文講義の実況中継」は、河合塾の人気講師である登木先生の著書。「難関大学で出題されるような抽象度の高い長文になると、途端に読めなくなる」という人に向けて作られている。マスターするとMARCHや関関同立、早慶上智レベルの長文読解で高得点を狙えるようになるぞ!
本書最大の特徴は、MARCH・関関同立・早慶上智の頻出テーマにおける思考や視点、アプローチ方法を詳しく解説してるということ。約500ページあるうちの半分以上が解説ページで占められており、文構造図解を用いた文法の説明や「早慶上智ワード」という難関大学の入試における重要語句の解説、和訳などが事細かくまとめられている。
それに加えて、筆者(英文を書いた人)が伝えたいメッセージや裏の意味、次の展開の予測などについても解説しており、MARCH・関関同立・早慶上智で通用する高度な読解力を養っていけるんだ!
また、英文を現代文・小論文の観点から解説しているのも本書の大きな魅力。そもそも難関大学の英文は移民やテクノロジー、脳科学など抽象度が高いため、背景知識を増やすことが非常に重要となる。
内容が難しいだけに独学ではなかなか手が届かない部分だが、本書では河合塾で現代文の講師を務める安達雄大先生が、収録されている問題文と密接に係るテーマや内容を深く掘り下げて解説してくれるんだ。背景知識が増えるほどに英文の内容をイメージ・理解しやすくなり、読解力がアップするぞ!
基礎的な文法・単語の知識や、センターで160点を下回らないレベルのスキルは必要だが、「MARCH・関関同立・早慶上智レベルの長文読解が解けず、どこから手を付ければいいのか分からない」「難関大学の長文読解で高得点を狙いたい」という生徒にはピッタリといえるだろう。
本書の仕様とレベル
対象者 | センターレベルの長文は解けるが、MARCH・関関同立・早慶上智レベルになると歯が立たなくなる生徒 |
仕様 | ・全452ページ
・問題数 11題 |
前提となるレベル | ・センター160点を下回らないレベルの読解力
・偏差値60以上 ・シス単レベルの英単語帳を1周以上していて、9割方覚えている |
マスター後の到達レベル | ・MARCHや関関同立、早慶上智レベルの英語長文を正しく理解できる |
1周を終えるまでにかかる時間 | 約1~2ヶ月 |
付録・サポート | ・別冊「問題1~11」「読解公式のまとめ」
・ネイティブの音声データ(語学春秋社より無料ダウンロード) |
出版情報 | 登木 健司:1,500円(税抜) |
メリット・デメリット
「難関大英語長文講義の実況中継」のメリット
・問題文が難関大学の頻出テーマに絞られているため、本番で役立つ実践的なスキルや考え方が身につく
・1文ずつ品詞を分解して丁寧に解説しているため、文構造を深く理解していない生徒でも取り組める ・英文に込められた裏の意味を読み取り、展開を予想しながら読み解く方法を習得できる ・移民やテクノロジーなどの背景知識を増やせるため、抽象度の高い英文をスラスラと読めるようになる ・塾講師が講義をするような“語り口調”で書かれているため、読みやすい ・文構造図解や赤字、黒板のイラストなどを用いて見た目にも分かりやすく解説しており、長文読解に苦手意識がある生徒でも学習を進めやすい |
「難関大英語長文講義の実況中継」のデリット
・偏差値が60以上なければ、内容を正しく理解するのが難しい
・「シス単レベルの英単語帳を9割覚えている」「センターで160点を下回らない」レベルの実力が必要であり、使用者が限定される ・全部で500ページ近くあるため、読書が苦手な生徒は手が出しづらい |
難関大英語長文講義の実況中継の勉強法
※本書は本冊と別冊の2つで構成されている。
本冊:問題文に対する解説、現代文・小論文的アプローチ 上記を踏まえて、以下の手順で勉強を進めていこう。 ①別冊の問題を解く 問題を1つピックアップし、短い問題なら10分・長い問題なら30分で解くことを目標に自力で取り組んでみよう。時間が来たら、同じ問題をもう一度解いてみてほしい。今回は時間無制限で、辞書や参考書などを使ってOKだ!ただし1つ条件があって、設問になっている箇所以外の単語や文構造も辞書などで調べて、問題文の意味をきちんと理解したうえで解答を導き出してほしい。当てずっぽうではなく、今自分がやれるだけの実力をここで確認しよう。 ②本冊の解説を読む 問題を2回解いたら、本冊の解説を精読しよう。 まずは「文構造」と「重要な単語」の2点を読み込み、理解を深めてほしい。文構造は赤字で書かれているから、赤のシートを使いながら自分で解説できるようになるまで構造をインプットしよう。「Word Cheek」の欄に書かれている単語は問題文のキーポイントといえる部分であるため、声に出して発音したり、ノートに書き込んだりして徹底的に暗記することが大切だ。 上記2点だけでなく、解説ページに「すぐチェック」というマークが登場したら、別冊の「読解公式まとめ」を確認しよう。「すぐチェック」で示されている事項は難関大学入試において重要なポイントなため、別冊にて詳細に解説しているんだ。 読解公式まとめは本冊の解説途中で読むだけでなく、繰り返し読み返してほしい。1章が終わったタイミングはもちろん、取り外し可能だから通学・部活前などのスキマ時間を見つけて読む癖をつけよう。 ③問題文を音読する 語学春秋社のホームページから問題文の音声データを無料でダウンロードして、それを聞きながら音読してみよう。音読するときは発音だけに集中するのではなく、単語が持つ意味や文構造などを頭の中に思い描いて復習することが重要だぞ。 ④新しい章へ入る前にもう一度問題を解く 正解・不正解関係なく、新しい章入る前に復習としてもう一度同じ問題を解いてみよう。解説ページで理解を深めた文法や要点、単語などを意識しながら解答することが大切だ。 問題を解いていて分からないところがあるなら、それは「まだ理解しきれていなかった」という証拠。疑問に思ったところ、不明だったところをマーカーしておき、新しい章へ入らず前回の解説ページをもう一度読み込もう。 高2は受験まで時間があるから、問題をたくさん解くよりも解説をじっくり読み込んで、長文読解の解き方やアプローチ方法を知識として定着させることが重要だぞ! |
こんな人におすすめ
・センターレベルの単純な和訳はできるが、難関大学レベルの長文読解になると途端に解き方が分からなくなる人
・難関大学の長文読解における考え方を基礎から学びたい人
・MARCH、関関同立、早慶上智の高難易度な長文読解で高得点を狙いたい人
・背景知識を増やし、哲学や思想など抽象度の高い英文を読めるようになりたい人
Answerzの評価
難関大英語長文講義の実況中継は、人気の河合塾講師が執筆しているだけあって授業を聞いているかのような柔らかい語り口調となっており、読書習慣のない生徒でも読み進めやすい。さらに、難関大学の長文読解における思考や視点、重要語句などを網羅しているため、MARCH・関関同立・早慶上智を狙うなら1冊は持っておきたいところ。ただ1点、センターで8割以上取れるくらいの知識が求められるため、「センターは完璧だが、なぜか難関大学レベルは苦手で理解できない」というピンポイントな生徒向けの参考書だといえる。
④全レベル問題集 英語長文
「全レベル問題集 英語長文」は、大学を受験する生徒全般に向けて作られているが、文構造や重要語句、設問における解説が詳しいため、「文章を正確に読む“精読力”が身についていない」という生徒に最適な参考書。
本書は全部で6つのシリーズが展開されており、基礎レベル(高校基礎~大学受験準備)から共通テストレベル、私大標準レベル(日東駒専)、私大上位レベル(MARCH)、私大最難関レベル(関関同立や早慶上智)、国公立大レベル(旧帝大)と、それぞれマスター後の到達点が異なるんだ。
本書最大の特徴は、文構造や設問などの解説が詳細であるということ。長文の収録数が9~12と少ないぶん解説に力を入れており、なかでも文構造における網羅性が高いんだ!基礎レベルから私大上位レベルでは全文にSVOCの文法解説が入り、私大最難関レベルと国公立大レベルでは重要な箇所だけをピックアップして細かく解説してくれるぞ。
また、本書では「語彙力が語学学習における基本」と位置づけており、全シリーズを通して語彙力の強化に力を入れている。1章ごとに語句リストを復習するためのミニテストが設けられているほか、付属CDを利用したディクテーション問題も用意されているんだ。
類書に比べると若干語彙レベルが高く設定されているものの、重要語句や文法構造についての解説が詳細かつ丁寧であるため、「長文を正確に読む力を養いたい」「英文の意味が理解できず、当てずっぽうで解答することが多い」という生徒にはピッタリだろう。
本書の仕様とレベル
対象者 | 大学を受験する生徒、精読力を身に着けたい生徒 |
仕様 | ■基礎レベル:全152ページ、問題数 10題、SVOC全文解説
■共通テストレベル:全162ページ、問題数 10題、SVOC全文解説 ■私大標準レベル:全184ページ、問題数 10題、SVOC全文解説、志望大学別の入試長文分析 ■私大上位レベル:全208ページ、問題数 12題、SVOC全文解説、志望大学別の入試長文分析 ■私大最難関レベル:全296ページ、問題数 10題、志望大学別の入試長文分析、パラグラフ展開、テーマ解説 ■国公立大レベル:全216ページ、問題数 9題、志望大学別の入試長文分析、パラグラフ展開、テーマ解説 |
前提となるレベル | ・基礎レベル~私大上位レベル:中学生から高1レベルの単語・文法・英文解釈をある程度理解している
・私大最難関レベル~国公立大レベル:基礎的な知識があり、高校受験レベルの単語・文法・英文解釈を理解している |
マスター後の到達レベル | ■基礎レベル:高校基礎~大学受験準備レベル
■共通テストレベル:大学受験基礎~センター試験レベル ■私大標準レベル:日東駒専レベル(偏差値50~55前後) ■私大上位レベル:MARCHレベル(偏差値55~60前後) ■私大最難関レベル:関関同立、早慶上智レベル(偏差値55~65前後) ■国公立大レベル:旧帝大レベル(偏差値60~70前後) |
1周を終えるまでにかかる時間 | 約2~3週間 |
付録・サポート | 音声CD付き |
出版情報 | 三浦純一:基礎レベル・共通テストレベル・私大標準レベル・私大上位レベル 1,045円(税込)、私大最難関レベル・国公立大レベル 1,100円(税込) |
メリット・デメリット
「全レベル問題集 英語長文」のメリット
・本文の和訳は文法を反映させた直訳に近い日本語になっているため、文構造を理解しやすい
・全シリーズを通してバラエティ豊かな長文問題が収録されており、興味を持ちながら学習できる ・問題文に登場した単語を復習するミニテストが付いており、語彙力を強化できる ・近年の入試問題の傾向に対応し、“文法問題を解く”というよりも“英文を正しく読む”ための文法解説になっている ・解答に繋がる重要な箇所が明確であり、なおかつ論理的な文章で解説されているため、独学でも学習しやすい ・私大最難関レベルと国公立レベルには「テーマ解説」や「パラグラフ展開」が設けられており、難関大学の試験に必須である難しいテーマへの理解や文脈把握などのスキルを養える ・音声CDには「ナチュラルスピード」と「ゆっくりスピード」の2パターンが収録されており、自身のリスニング力に合わせて調節できる ・「志望大学別の入試長文分析」では、各大学ごとの長文問題の平均数や1題あたりの平均語数などを確認できる ・読解力を養うだけでなく、語彙力やリスニングなど幅広い学習が1冊で行える |
「全レベル問題集 英語長文」のデリット
・収録数が少なく、長文問題を数多くこなしたいという生徒は物足りなさを感じる
・基礎レベルや共通テストレベルでも、語彙レベルがやや高い |
全レベル問題集 英語長文の勉強法
※本書は本冊と別冊の2つで構成されている。
本冊:問題文に対する解説、語句リストの復習(ミニテスト) 上記を踏まえて、以下の手順で勉強を進めていこう。 ①まずは自分のレベルに合ったシリーズを選ぶ 志望校が難関大学だからといって、いきなり私大最難関レベルや国公立レベルに手を出すのはオススメできない。「精読力が身についていないために長文読解が苦手…」というキミたちは、高1・高2向けの基礎レベルや共通テストレベルから始めよう。とくに基礎レベルは、20語程度の文章や空所補充問題といったスタンダードな構成になっているため、長文を正しく読むための基礎を固めるにはうってつけだ! ②別冊の問題文を解く 1日1題を目標に、まずは別冊の問題を解いてみよう。各長文には目安の解答時間が記載されているが、高2の段階ではあまり気にしなくてOK。焦らずに、じっくり英文を読んで解答を導きだそう。 ③本冊の解答・解説を見る 答え合わせを行うときは、「単語を知らないことによる間違いなのか」「文意を捉え切れていなかったのか」など、自分が間違えた理由を分析することが大切だ。そして正解・不正解関係なく、別冊の問題文をコピーして英文にSVOCや重要語句などを書き込んでいってほしい。文構造を体に覚えさせることで精読力を高めることができ、まぐれでの正解を防げるんだ。 ④音読する 付属の音声CDに合わせて長文を音読しよう。発音だけに集中するのではなく、重要語句やSVOCなど解説ページで学習した箇所を意識することが重要だ。学んだ内容の整理・復習になるほか、リスニング力を養うこともできるんだ! ⑤語句の復習を行う 新しい問題へ取り組む前に、前回の章の最後に設けられている「語句リストの復習」を行おう。和訳に対する単語を書き込んでいく形式で、20点満点中16点がクリア基準となっている。 15点以下である場合は新しい問題へ進むのではなく、まずは単語の復習・暗記を行ってほしい。赤マーカー・赤シートを使う、音読するなどして確実に単語を覚えてから、再度テストを行い、16点以上であれば次の問題へ取り組もう。 |
こんな人におすすめ
・文法や単語の基礎を固め、精読力を養いたい人
・読解力だけでなく、語彙力やリスニング力など幅広いスキルを磨きたい人
・ただ問題をこなすのではなく、「なぜこの解答になるのか」を重点的に学びたい人
Answerzの評価
全レベル問題集 英語長文は、音声CDや語句のミニテストなど復習しやすい構成となっており、繰り返し使えるのが大きな魅力。また、英文を正しく読むための解説が充実しているため、独学でも学習を進めやすいぞ!問題の難易度もさほど高くないため、長文読解の入口としては最適な参考書といえるだろう。
自分にピッタリな参考書で長文読解を攻略しよう!
長文読解の参考書を選ぶときは、「自分の苦手な部分をカバーしてくれるか」どうかに注目しよう。
例えば、長文読解に関する知識はあるものの、読むスピードが遅いという生徒に「文法・単語など基礎的な部分を重要視している参考書」を渡したとしても、苦手を潰すことはできないよな。
確実に弱点を潰すためには、参考書の中身が自分に合っているかどうか確認することが最も大切なんだ。
自分に適した参考書を使ったが、高2の秋冬の段階で偏差値50以下という場合は、単語や文法をそれぞれ勉強し直そう。高3の春までに長文読解の基礎となる部分を固め、夏頃から苦手を克服する方法にシフトチェンジするのがオススメだ。
いくら受験まで時間があるとはいえ、難関大学の試験において配点の高い長文読解が苦手だと焦ってしまうよな。しかし、今からコツコツと学習を重ねて苦手を攻略すれば、必ず得点に繋がる。
さあ、今日から自分にピッタリな参考書を使って長文読解をクリアしよう!